テルペンってなんだろう？ | ヤスハラケミカル株式会社

松やオレンジから採取されるテルペンは、実はほとんどの植物、また我々の身体の中にも存在しています。生物が生きる上でなくてはならない成分であるテルペンは、化学の分野でも様々な用途に活かされています。工業分野では粘・接着剤やプラスチックの改質用途に、その芳香性を活用してエッセンシャルオイルとして香料に利用されています。また近年は、特異的構造から、電子部品用途、光学関連用途等にも使用されています。
テルペンは自然のチカラで生合成されるバラエティ豊かなケミカルです。

テルペンは植物の体内で作られる物質で自然界に広く存在し、松脂等から採れる植物の精油に多く含まれます。その代表的な成分のα‐ピネンは、人に森林浴効果をもたらし、植物を外敵から守るための大切な物質、フィトンチッドのひとつと考えられています。
ちなみに日本の伝統的な木造家屋からは天然系のテルペンが常に放たれていて、家にいながら森林浴と同じ、癒しや安らぎを得ることができると言われています。

カーボンニュートラルという言葉をご存知でしょうか？
排出される二酸化炭素と、吸収される二酸化炭素が同じ量であり、大気中の二酸化炭素の増減に影響を与えないという考え方です。植物は光合成によって二酸化炭素を吸収するので、植物由来のテルペンは、カーボンニュートラルな原料といえます。
また、化石燃料のように、枯渇してしまうものに比べ、テルペンは、新しい生命のサイクルの中で繰り返し生産され続けることになるので枯渇することがありません。再生可能資源として、更なる可能性が期待されています。

私たちの生活に直接かかわる分野から産業に至るまで、テルペンのもつ可能性が期待されています。
既に、粘着テープや食品包装材料、塗料やインキ、香料・溶剤等日常生活に不可欠な分野にテルペン製品は使用され、「テルペン」はさり気なく活躍しています。
今後もテルペンは、「安全性・環境性」を活用して医薬・農薬分野へ、また光学・エレクトロニクス分野へと、活躍の場を更に広げて行く可能性に満ちています。